院長の学術活動報告
8月12日 院長の活動報告
8月12日 「エコチル調査」の会議が行われ、参加してまいりました。
「エコチル調査」とは、「子どもの健康と環境に関する全国調査」のこと
で、平成23年7月以降3年間で出産出生する子どもとその両親を対象
に、妊娠中から12歳まで(計約16年間)、さまざまな角度から調査す
るという壮大な、環境省のプロジェクトです。調査は平成23年1月から
開始されます。詳しい内容は来年1月から、各医療機関で説明される
と思いますが、おおまかな経過は、以下のようになります。
妊娠初期 妊婦さん(お母さん)への説明があり、同意(同意があれば
登録されます)の後、質問票に基づく面接調査と、血液検
査・尿検査が行われます。
*説明と面接調査はリクルーター(正規の研修を受講した調査スタッフ
のこと、11 月中旬に研修会があり、当院の外来スタッフが受講予定
です)がいたします。
*登録、質問票、採取された血液、尿など全て、大阪ユニットセンター
(大阪大学に設置されています)に送られます。
*登録後の、質問票に基づく面接調査や資料(血液など)提供への協
力に対して、謝礼金が出ます。
お父さん(必須ではないそうですが、できるかぎり)には、説明(妊娠中
の適時、妊婦さんと同時でなくてもよいようです)の後、同意に基づい
て、質問票に基づく面接調査と血液検査が行われます。
妊娠中期 妊婦さんに2回目の質問票での面接調査と、血液検査・
尿検査が行われます。
出産時 臍帯血が採取されます。
入院中 お母さんの血液検査、赤ちゃん(子ども)の血液検査(ろ紙
に血液を滲ませて採取します)、お母さんの毛髪採取など
が行われます。
1ヵ月時 お母さんへの質問票調査と母乳採取が行われます。赤
ちゃんの診察もあります。
その後 6ヵ月ごとに、12歳まで子ども(赤ちゃん)の調査が行わ
れます。
*1ヵ月までの調査は当院で行われますが、6ヵ月以降の調査(診察
など)施設は未定です。
これらによって、さまざまな化学物質やその他の要因(食事や生活習
慣など)を調べます。全国15のユニットセンターで調査が開始され、
私たちの地域(岸和田市以南の大阪)もその1つで、大阪ユニットセン
ター事務局は大阪大学に設けられます。対象指定地域は、岸和田市
から岬町の8市町、協力医療機関は、和泉市、泉大津市以南の13の
産科医療機関(出産施設)で、この地域で3年間に出生する約1万5
千人中、約5割の7千5百人を目標としています。妊婦さんの登録条
件は、指定地域に居住され、協力医療機関にかかっている方で、調
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sp; 査に同意いただける方です(里帰り出産や転居予定の方でも、状況
によって登録できることがあるようです)。
この「エコチル調査」は環境省のプロジェクトなので、近々、年内中に
マスコミ(テレビ、新聞など)での政府広報や、市町などの各自治体
(保健センター)、保健所からの案内などが一般の方、特に妊婦さんに
届けられるはずです。ご注目ください。
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