院長の学術活動報告
H22年10月9日 院長の活動報告
10月9日 『第12回近畿どてら会』(近畿新生児研究会主催 池田市不死王閣)
に参加してきました。参加者は100名以上で、一般演題発表、特別講
演の後は、恒例の泊まり込み、(どてらでの)夜半までの懇親会でした。
新生児科医の皆さんとたくさん話ができてよかったです。一般演題とし
て『私たちの施設の「早期皮膚接触」研究―第1報』を発表してまいりま
した。2003~2009年の7年間の「早期皮膚接触(STS skin to
skin contact 旧称出産直後のカンガルーケア)」のまとめから得られ
た以下の内容です。
・私たちの施設の「早期皮膚接触」の基準と手順
・「早期皮膚接触」中の赤ちゃんの行動パターンと頻度、(出現)時間
・「早期皮膚接触」開始後、乳頭吸啜(自律、非自律)に至る時間
・「早期皮膚接触」の有無と(退院時、2週間健診時、1ヵ月健診時)
母乳率
などです。
発表した結果のいくつかを数値で示しますと、
・「早期皮膚接触」が開始できたのは、全分娩の7割強(73.2%)で
した。
・新生児の行動パターンは、生後約10分で「眼を開ける」、約25分
足らずで「口や首を動かす」、約30分前に「指を吸う」、30分過ぎに
「蹴り上がる、這い上がる」、40分前後に乳房周辺で「首を大きく振
り、探す」、平均46分で「自律哺乳(自力でおっぱいを吸う)」でし
た。
・「早期皮膚接触と乳頭吸啜」という観点から区分するなら、私たちの
施設で生まれた赤ちゃんの約3割が自力でおっぱいを吸い(自律吸
啜)、約3割が手助け(授乳介助)されておっぱいを吸い、約3割が
早期皮膚接触を開始できないか、開始するも乳頭吸啜に至らない
(または記録がない)かで、約1割が帝王切開分娩でのごく短時間
(10分前後)の早期皮膚接触と(介助による)乳頭吸啜、という結果
でした。
・授乳介助を含め、「早期皮膚接触」で乳頭吸啜に至った例は、8割
強(81.1%)でした。
追記) 「第35回和歌山周産期医学研究会」(2011年2月26日(土)
午後2時~5時 和歌山JA会館)で、『私たちの施設の早期皮
膚接触の実際』の演題で特別講演の予定です。
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