院長の学術活動報告
院長の活動報告(H23年6月)
6月4日
大阪市立総合医療センター3Fさくらホールにて、第14回大阪母乳の会総会、講演会、パネルディスカッションが開催されました。講演会・パネルディスカッション参加者は81名。講演は「『母乳育児成功』を考える」、演者は私、笠松です。パネルディスカッションのテーマは「母乳育児支援のスタッフ教育」で、愛仁会高槻病院、大阪市立十三市民病院、国立病院機構大阪南医療センター、大阪府立母子保健総合医療センター、生長会ベルランド病院の5施設の発表、その後にディスカションが行われました。
私の講演内容は次の4点、『Aはじめに~「母乳育児」「成功」 B「母乳育児、母乳」~母乳率と補足 C「母乳育児、育つ」~体重増加 D「母乳育児、育てる」~子育て』です。その要点は、「母乳育児成功」とは何か、もう一度見直そうということで、(入院中の)母乳育児の目標は、「入院中に母乳だけで、赤ちゃんの体重が増加し、母親が自立して母乳育児ができる」ことと考えられます。
(手前味噌になりますが)「日本母乳の会」の、今年で20回を迎える母乳育児シンポジウムの、日本での母乳育児の保護、推進、支援への役割は、多大なものがあると思っています。この間、「母乳育児成功」評価の、もっとも大きな基準は、「母乳率」(例えば、入院(期間)中の完全母乳率(=非補足率)、退院時や1ヵ月健診時(その時点)の母乳率)で行われきていました。
しかしながら、入院期間1泊2日の米国などでは、「入院(期間)中」や「退院時」の母乳率は、評価のチェックポイントにはなり得ません。約1週間の入院期間があるから、これらの時期の評価が指標となります。そして「1週間の入院」があるからこそ、「母乳栄養(率)~栄養食品としての母乳」の向上だけでなく、「母乳育児(率)~母乳での子育て」の確立(あるいはその可能性)を望むことができます。授乳・哺乳のやり取り(早めの空腹のサインや抱き方・含ませ方)が身につき、母子関係が築かれていきます。赤ちゃんの体重も入院中に増加していきます。
退院時には「母乳率」と「赤ちゃんの体重増加」と「サインによる授乳・哺乳のやり取り、自律授乳」の3点の目標達成が、「入院期間1週間」の周産期環境での「母乳育児成功」と考えるべきではないか、そのような支援が求められているのではないか、と提案しました。
6月5日
第20回母乳育児シンポジウム(京都)第9回実行委員会に出席しました。
6月18日
和歌山市で、近畿産科婦人科学会が開催されました。参加してまいりました。懇親会では、たくさんの懐かしい先生方にお会いしました。
6月23日
日本赤十字社和歌山医療センターにて、京都大学の西田教授の「子宮がん」の講演会があり、参加してきました。
6月25日
日本母乳の会主催の、BFH(赤ちゃんにやさしい病院)ワークショップに当院から、スタッフ1名出席しました。
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