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院長の学術活動報告

院長の活動報告(H23年12月)

12月17~18日  
日本母乳の会の仕事で、「BFH(赤ちゃんにやさしい病院)に関連する課題」についての合宿がもたれ、出席してまいりました。

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院長の活動報告(H23年11月)

11月3日  
「いいお産の日in大阪」の仲間で、この10数年の友人である助産師の岡いくよさんが大阪市中央区に「赤ちゃんと家族のための小さな助産院 マタニティーガーデン」を開院されました。開院を記念して『妊娠出産育児を通して考えるいのち』と題したシンポジウムが企画されました。シンポジストとして、山添正先生(神戸親和女子大学学長、臨床心理士、日本スピリチュアルケアワーカー協会会長)、前谷彰先生(高野山大学教授、文学博士、日本スピリチュアルケア学会理事)、亀田隆先生(亀田マタニティ・レディースクリニック院長)と私の4名が招かれ、それぞれの話と質疑応答形式での討論会が催されました。私は、自己紹介として「私が生きているのは、母と子の関係が始まる場です。赤ちゃんと母親は、おっぱい(授乳-哺乳)などのさまざまなやり取りを通して『関係性』を作っていきます。そのお手伝いをするのが私の仕事です」「近年その関係性が結べていない結果と思われる悲しい出来事がたくさん報道されています。赤ちゃんにとって初めて人と人との関係が始まるところ(周産期)での、『母と子の関係作り』を妨げている、例えば、『母子同室』『早期皮膚接触』『母乳育児』など、本来あるべき『自然な係わり』が、『医療者目線』や『危険性』などから回避や放棄されてしまった結果かもしれません。『医療者目線』は本来『母と子のため』だったはずですし、『自然な係わり』で生じるかもしれない(通常でも生じるかもしれない)『危険性』から『母と子を守る』ことも医療の役割のはずです。私たち周産期に関わる医療者の役割の重要性を感じています」などを話しました。私の話の『関係性』から、前谷先生の『縁起』の話と広がり、日ごろ同業者(医者、助産師、看護師)内の討論と違って、異分野の専門家との討論は、とても刺激的な展開となり、参加者以上にシンポジストが楽しんでしまう、素晴らしい機会となりました(それぞれの先生方のお話の要約は、岡いくよさんのHP(ikuyooka.exblog.jp)の2011年11月開院シンポジウムの記事をご参照ください)。再開を約束して、お別れしました(その後2012年3月に、再会を果たし、再び熱く語り合いました)。

11月5日  
「性犯罪被害者支援のための医療関係者向け研修会」があり、行ってまいりました。

11月7日  
「阪南市児童虐待防止ネットワーク」講演会があり、参加してまいりました。

11月19日  大阪母乳の会第39回定例会がありました。別掲の『第15回記念おっぱい・子育ておおさかフォーラム』について話し合いました。

11月23日  
谷口病院(大阪府泉佐野市)で、日本母乳の会の依田先生(小児科医)と一緒に、母乳育児についての講演をしてまいりました。お聞きいただき、ありがとうございました。お役にたてれば幸いです。


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院長の活動報告(H23年10月)

10月1~2日  
東日本大震災のために延期されていた、2011年のBFH(赤ちゃんにやさしい病院)の現地調査に行ってまいりました。素晴らしい町、病院、スタッフの皆さま、とても頑張っておられました。あらためて私たちも頑張らねば、と元気を戴きました。

10月10日  
日本母乳の会運営委員会に行ってまいりました。

10月29日  
ベルランド総合病院(大阪府堺市)で『入院中の母乳育児支援』の演題で、講演してまいりました。お聞きしていただいた皆さま、ありがとうございました。お役に立つことを願っています。


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第15回記念 おっぱい・子育て おおさかフォーラムのお知らせ

第15回記念 おっぱい・子育て
おおさかフォーラムについての詳細です。
  ※参加申し込みについては、院長の学術活動報告の「おっぱい・子育て おおさかフォーラム参加申し込み」下記の項目をご覧ください。
    

 

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おっぱい・子育て おおさかフォーラム参加申し込み

第15回記念 おっぱい・子育て
おおさかフォーラムの参加申し込みについての詳細です。

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院長の活動報告(H23年9月)

9月3日  
第20回母乳育児シンポジウム(京都)実行委員会打ち上げ会がありました。今年は初めての企画ですが、さよならパーティの前に、いくつかの施設から施設発表を行いました。
    *私たちの施設の松岡が『入院中の母乳育児支援の考察』と題して、プレ
      ゼンしました。

9月10日  
第33回大阪母乳の会定例会
  討議内容
   ①第20回母乳育児シンポジウム報告
   ②近畿母乳の会主催『第三回近畿母乳育児フォーラム』について
     日時  2012年2月5日(日) 午後1時~5時
     場所  大阪市立総合医療センター 3F さくらホール
     内容  ○一般演題
          ○実行委員長講演 『母乳育児支援の活動と維持
                                ~BFHとしての経験から』
             演者 田中滋己(独立行政法人国立病院機構三重中央
                                           医療センター)
          ○指定演題 『職種を超えて母乳育児を語る』
            *私たちの施設から、栄養士の荒木がプレゼンしました
   ③第15回記念『おっぱい・子育て 大阪フォーラム』(大阪母乳の会主催)
    記念大会の今回は、一般参加(会員以外の方、母親や父親など参加、
                                              歓迎です)
     日時  2012年5月27日(日) 午後1時~5時
     場所  大阪国際会議場 10F 1004~1007
     内容  ○おっぱい・子育て交流会
                                                 『退院後におこった困ったこと・うれしいこと』
            発表者は、府下数施設で母乳育児(支援)された、お母さんなど
            *私たちの施設で出産されたお母さんもお話されます。
            *コメンテーターの予定です(笠松)。
            ○講演 『脳科学から産後の母子関係を考える~
                                                                             オキシトシンとセロトニン』
                講師  有田秀穂先生(東邦大学医学部統合生理学教授)
            ○施設発表 『妊娠中からの母乳育児支援のさまざまな
                                                                                                   取り組み』

9月21日 
関西医療大学からの学生実習始まりました。

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院長の活動報告(H23年8月)

8月6~7日  
第20回母乳育児シンポジウム(京都)
今年(2011年)のシンポジウムは、京都みやこメッセで開催されました。全国から1100名もの方に参加していただきました。近畿地域を中心にした実行委員会開催は、昨年(2010年)9月から10回にも及び、(多分)それなりの成果を残すことができたのではないか、と感じています。各施設、各地域の実行委員の皆さま(当院からも、私以外に実行委員2名と当日お手伝いスタッフの4名)、本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。
私はシンポジウムⅠ「母乳育児―施設で始める はじめの一歩」のシンポジストとして『分娩室から始める母乳育児、母子同室』の話をさせていただきました。
内容を簡単にお伝えします。私たち、母乳育児支援に係わっている施設、医療者の目標は、『母乳のみで、赤ちゃんが大きくなり、母親が母乳育児を続けていけること』と考えられています。
もう少し実際に即して解説します。『母乳のみ』は、『(できるだけ母乳だけ)(補足が必要となることがある、少ない方がよいが)(補足は人工乳か糖水か、補足は糖水(入院中の人工乳補足群と糖水補足群を比べると、人工乳補足群の1ヵ月母乳率は明らかに低い))』と考えられます。この面の論議は既に確定している感があります。
一方『赤ちゃんが大きくなり』に関しては未だ不十分かもしれません。『大きいことがいいこと』とは申しませんが、やはり『赤ちゃんは大きくなる』ことが絶対必要です。『赤ちゃんが大きくなり』は、『赤ちゃんの(体重が増える)(体重減少率が少ない)(出生体重への回復が早い)』と細分化できます。『出生体重への回復』は早ければ安心です。『退院時に回復する』と安心ですが、『退院時』には施設間差があり、また『回復する』は全例には難しいと考えられますので、『日令5』の『回復率』を代用して評価します。『最大体重減少』となる『最低体重日』は、その翌日にしか判明しません。私たちの施設の経験から、チェック日は『日令2』の『体重減少率』を代用します。これも経験から、施設平均の『最低体重日』が『日令2』より早まることはなさそうです。『日令2』の『体重減少』を少なくするのには、『出生直後からの授乳(初回授乳)支援』が重要となります。『適切に吸着』できているか、吸着ができるためには『早めの空腹のサイン』で関われているか、サインを見つけるために『静覚醒(目覚めて静かにしている時)』から関われている(抱いて、目を見て、語りかける)か、が大切なポイントとなります。『不適切な吸着』による、『乳頭・乳房トラブル(乳頭亀裂、乳管のつまり)』『乳汁分泌不良』『泣き』『発熱』『想定以上の体重減少』『低血糖』『預かり』『マタニティーブルー』などのネガティブなサインを見つけることも重要です。
『母親が母乳育児を続けていける』とは、『母親が(退院後も、つまり退院時に)、(自分の力で、自信を持って~おっぱいを欲しがるサインによるやり取り=自律授乳)母乳育児を続けていける(=母乳育児の確立)』ということと考えられます。出産後の『入院期間』が4時間~1泊2日しかない諸外国と比べ、私たちの国では数日~約1週間もあり、『母子の関係作り』には最適の『周産期環境』と考えられます。
母子の、親子の、人と人との『関係性』が危うくなっている現在、この『関係性』が始まる、『はじめの一歩』での周産期医療、医療者の役割が大切である、という思いを込めて話を致しました。詳しくは、近々発行される『第20回 母乳育児シンポジウム 記録集』をご参照ください。

8月20日、27日  
近々発売される子宮頸がん(HPV感染)予防ワクチン「ガーダシル」の「エクスパートミーティング」に参加してまいりました。講師お二人の、異なる角度からのお話、2週続けてお聞きすると、とても参考になりました。

8月29~31日  
大阪国際会議場で開催された、日本産婦人科学会に参加してまいりました。

 

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お知らせ

第三回近畿母乳育児フォーラムの
お知らせ

詳細は左記をご覧下さい

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お知らせ

母乳育児支援の講演会(予定)
   と き  2011年10月29日 午後3時~
   ところ  ベルランド病院 看護助産学校 2F 視聴覚教室
   演 題  『入院中の母乳育児支援の基本』

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院長の活動報告(H23年7月)

7月6日  
阪南市健康教育講座で、演題『産婦人科医療、最新のトピックス』の話をしてまいりました。自治体により差がありますが、中学1年~高校1年の女子生徒全員を対象に、この7月後半から、「子宮がん予防ワクチン」の無料接腫が開始されることもあって、保健センターからの内容希望は、この「子宮頸がん」と「ワクチン」の話を、とのことでした。大阪産婦人科医会や産婦人科学会でも、昨年よりたくさんのこの「子宮がん」「子宮癌ワクチン」を勉強する機会があり、また「子宮頸がん検査」の分類が「日母分類(旧来、日本のみ)」から世界共通の「べセスダ分類」に変更されてきたこともあり、さらに泉州地域の産婦人科医療の再編で、「手術、悪性の可能性のある婦人科疾患」は市立貝塚病院、「ハイリスク産科」はりんくう総合市立泉佐野病院にと、住み分けというシステム化が進んでいること、また若年層の異型性(べセスダ分類でASC‐US、ASC‐H、LSIL、HSIL)が増加していることなどなどがあり、子宮がんの話だけでも結構な量となりました。その上その他、乳がん、過活動膀胱(OAB)・骨盤臓器脱(POP)、更年期のホルモン療法(HRT)、子宮内膜症、ピル、性感染症でクラミジア以外にHIV感染症・AIDSが増加していること、お産・子育ての傾向(虐待、性暴力)など、盛りだくさんの話もさせていただきました。
    
PS 『子宮頸がん予防ワクチン』について
    公費での子宮頸がんワクチン接種が始まっています(2011.7.20から)が、ワクチン接種の出足はゆっくりです。接種に来られた方にお聞きした限りでは、この学年に対する「子宮頸がんワクチン」接種について、①現在のところ、本年のみ(来年は未定)で、無料接種が継続される場合でも、新中学1年生だけになる(1学年のみ、現在の対象者は除外になる)かもしれないこと(何も情報が届いていないのです)、②3回接種する必要があり、3回目が初回接種から6ヵ月後、3回目が今年度中つまり来年3月中であることが必要です。逆算すれば、現在中学1年~高校1年生の女子生徒が、3回とも無料でワクチン接種を受けるためには、この9月中に初回接種を受けねばならない、ということになります。
   現在予約受付中です。私たちの施設では、「子宮癌ワクチンについて~その利点と限界」「ワクチン接種後の注意点」「ヒトパピローマウイルス(HPV)」「セクシャルデビュー後の子宮がん検診」などについても併せて説明させていただいています。

7月16日  
昨年に続き、奈良県王寺の白鳳女子短大に、母乳育児の講義に行ってまいりました。
  『母乳育児支援がめざすもの』というタイトルで、(途中5分の休憩をはさみ)2講座、180分間のロングランでした。私も疲れましたが、学生さん達、よく頑張りましたね。(写真は講義中の私です)
  PS)昨年に続き、白鳳女子短大、助産学生の実習生が来ます。よろしくお願いします。

7月17日  
第20回母乳育児シンポジウム第10回実行委員会(最終)に出席してまいりました。東日本大震災の影響もあってか、シンポジウム参加者は少なめのようです。でも充実した内容になるよう、実行委員一同がんばります。シンポジウムⅠでもシンポジストとして、がんばります。

7月23日  なにわ周産期フォーラムに参加してまいりました。
        特別講演、帝京大学附属溝口病院小児科教授 渡辺博先生による『日本の1-4歳児の死亡率は高い~先進14ヵ国間での比較および日本の死亡小票調査に基づく要因解析~』のお話は衝撃的でした。

7月24日  
和歌山母乳の会に参加してまいりました。
  講演は、坂本フジエ助産師(坂本助産所)、演題は『母乳育児~現代(いま)・昔~』で、20歳で助産婦免許取得、23才で和歌山県の自宅で開業、73歳で田辺市に移転、87歳の今なお現役、4000人近い出産に係わり、子育てのよろず相談所として地域に貢献されているという大先輩。お話しぶりからも、新しい母乳育児の知識も随所に披露され、本当に今なお現役なのだと、身が引き締まる思いでした。
  
 PS)和歌山には、昨年この「院長の学術活動報告」でも報告しましたが、「母乳」の話をし始めると止まらない、和歌山県立医科大学の山本宏名誉教授がおられます。確か坂本フジエさんとほぼ同じご年齢ではないかと思います。3、4年前母乳哺育学会にカバン持ちで、お供したとき、「笠松、いくつになったんや」と聞かれ、私の年を答えると、即座に「まだ青いな、まだ子どもやな」と言われたことを懐かしく思い出しました。
  シンポジウム『各施設における母乳育児の取り組み』の発表施設は、5施設もあり、和歌山には他にも積極的な施設が2~3あるとのこと、着実に母乳育児推進の施設が増加、母乳育児支援が広がっていることがうかがわれ、たいへん頼もしく感じられました。

投稿者 笠松産婦人科・小児科 | PermaLink